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ベルギーと言えば... チョコレート。
100人中何人の方がこうお答えになるでしょう!?
ベルギー・チョコレートの歴史は、19世紀にさかのぼります。
1880年代、当時の国王レオポルド二世が、アフリカ中部のコンゴ自由国(現在の正式国名はコンゴ民主共和国)を私有地として支配*しました。
これ以降、カカオのプランテーション政策が進められ、ベルギーに良質なカカオをもたらし、チョコレート文化の礎を築いたのです。
チョコレートには、スーパーなど一般小売店で買える板チョコやチョコレートを使った菓子、専門店などで買うボンボン・オ・ショコラや、やや高級なチョコレート菓子、飲食店で味わえるデザート、家庭で作るお菓子の材料としてのチョコレートなど様々な形で私たちの生活に密接した食材のひとつです。
ベルギーのチョコレート年間生産量は20万トンを超え、国民一人当たりのチョコレート消費量は約5kgで、チョコレート好きと思っている日本人と比べても2~2.5倍は消費していることになります。
さすがにチョコレート大国!
チョコレートの主原材料は、カカオの種を発酵、焙煎したカカオマスで、これに砂糖、ココアバター、乳成分などを加えて練り合わせます。
ベルギーチョコレートの秘密のひとつは、原材料のひとつ、カカオバターです。
カカオバターはカカオ豆を搾油して作る植物油脂で、チョコレートにさらにとろけるような滑らかさを与えます。
厳しい製造基準をクリアして製品化されたカカオバターを使用したチョコレートは、安価なその他の植物性油脂を使用したものと差が出て当然です。
ベルギー国民のチョコレートへのこだわりは、言うまでもなく本物です。
EU統合時に、チョコレートの規格について、植物性油脂の混合をどうするか?が課題となりましたが、ベルギーをはじめ「こだわり派」の国々(フランス、ドイツ、イタリアなど)は、「ココアバター以外の油脂を使用したらチョコレートではない」との意見を貫き、EU協定では、5パーセント以下の植物油の混入は認められているにも拘らず、ベルギーでの規格は、依然として「純ココアバター使用」から変わっていません。
最後にもうひとつ、ベルギーチョコレート史にとって重要な「プラリネ」についてご紹介します。
ベルギーでは、チョコレート菓子の「ボン・ボン・オ・ショコラ(チョコレートの中に詰め物をした菓子)」を総して「プラリネ」と呼びます。
1912年、このプラリネを世界で初めて発明したのは、かの有名なジャン・ノイハウス氏です。
現在では、ムール型で形成したもの、チョコレートを流しかけたもの、フルーツ風味、ナッツ風味などなど、フォームと風味はお店によって千差万別。お気に入りの一品に出会うまで、チョコレート散策をしてみるのも良いですね。
このように、高品質な原材料と、パイオニアとしてのこだわり、また長い歴史の中で確立された技術の賜物であるベルギー産チョコレートは美味しくて当たり前なのですね。
ブリュッセルのチョコレートショップ情報は、クールブリュッセルグルメ情報をご参照下さい!
*ちなみに、レオポルド二世の私的な圧制は非難の的となり、当時は植民地政策に無関心であったベルギー政府も関与せざるをえず、1908年に国王より政府へ所有権が移り、植民地ベルギー領コンゴとなりました。