メキシコの治安

メキシコの治安は悪く、昼夜を問わず強盗や窃盗、さらには短時間誘拐なども発生しています。大事なのは、「普段から高価なものを身につけない」、「大金やカードは持ち歩かない」、「危険地域には行かない」、「夜遅く外出しない」、「被害に遭ったら抵抗せず、犯人の指示に素直に従う」ことです。

犯罪傾向(出典:外務省 海外安全ホームページ)

強盗,窃盗(置き引き,ひったくり,スリ,自動車盗難等)の被害は昼夜を問わず発生しており,多額の現金及び貴重品(高級腕時計等)を所持しての外出は避けてください。さらに,スマートフォン型携帯電話を狙ったひったくりも多発していますので,携帯電話を使用する際は周囲に注意を払ってください。また,公共輸送機関である地下鉄,バス内での犯罪や,流しのタクシー(リブレと呼ばれる)の運転手や運転手と結託した外部の共犯者らによる強盗事件も多発しており,公共交通機関やタクシーを利用する際は十分注意が必要です。
 その他,身代金目的の誘拐事件も多発していますので,十分注意する必要があります。

・誘拐
短時間身柄を拘束し,所持しているキャッシュカードやクレジットカードで現金を引き出させ,その現金を強奪したり,家族などから比較的低額の身代金を要求したりする,いわゆる「短時間誘拐」(特急誘拐,簡易誘拐とも呼ばれる)が発生しており,過去には邦人が被害に遭ったケースもあります。
 標的になっているのは,華美な生活をしている人,特に高級車を所有している人や高価な貴金属等を身に着けている人,首や手にデジタルカメラをぶら下げている旅行者などが多いです。

・銃器犯罪
メキシコにおいては,家の安全や正当防衛のため,許可を得てけん銃などの銃器(種類限定)を自宅内に保有することが認められています。武器の携行には国防省の特別許可が必要であり,携行許可を取得することは容易ではありません。しかし,実際は許可なく銃器を保有して携行している人は少なくなく,ほとんどの犯罪に銃器が使用されていると言っても過言ではありません。銃器を使用した強盗はメキシコ全土で発生しており,窃盗犯であってもけん銃を持っています。夜中はもちろんのこと,人通りの多い昼間の市街地でも被害に遭うことがあります。また,歩行中ばかりでなく,自動車運転中に信号や渋滞で停車した際にけん銃を突き付けられて車や金品を奪われる被害も多発しているので,カバン,携帯電話,時計等を車外から見えない場所に置き,信号待ち等で車を停める際は周囲に十分注意するとともに,いつでも逃げることができるよう車間距離をとるか,速度を調整してなるべく停車しないように運転してください。

・タクシー利用時の強盗
タクシー利用時の強盗事件が多発しています。メキシコ市では年々減少しているものの,2012年においては,1日平均1.7件(2011年は2.8件)の発生が報告されています。危険地域はメキシコ市内商業地区及び観光地のほか、東部,北部及び西部の各バスターミナルで,昼夜を問わず発生しています。タクシー運転手が共犯者で,仲間と共に乗客の所持品を強奪するケースも多く見られます。これらの地区でタクシーに乗る際は十分注意が必要です。

・地下鉄やメトロバス(路面バス)での集団窃盗,置き引き,スリ
混雑したメトロバス内,特に1号線内でカバン内の財布,ズボンのポケットに入れた携帯電話をスリに遭う被害が多発しています。貴重品を入れたリュックを後ろに背負っている人やカメラを手に持ったり首から下げたりしている旅行者が主なターゲットです。

・長距離バスにおける強盗・窃盗事件
日本人学生が長距離バスの乗客を狙った強盗に刺殺される事件が発生した他,金品を強奪される事件が発生しています。メキシコの長距離バスは,定まった路線,定まった運行であるため,特に夜行バスは強盗の襲撃対象になりやすくなっています。
また,強盗被害のほか,仮眠中に荷物から貴重品を盗まれたり,荷物室に預けた荷物から現金や貴重品が盗まれたりする窃盗事件も発生しています。

・ペセロミクロ(小型乗合バス)利用時の強盗
メキシコ市においては,2012年は1日平均3.7件のペセロミクロ等の乗客に対する強盗事件の発生が報告されています。また車体が脆弱であるため事故の際にはけが人が多数出るなどしているため,ペセロミクロは利用しないでください。

・空港での盗難事件
メキシコ市の国際空港においては,強盗・窃盗被害が多発しています。2009年1月以降,邦人の強盗被害は報告されていませんが,空港内両替所を利用した旅行者等が襲われる強盗被害が度々発生しています。また,空港内タクシー・チケット売場にてチケットを購入中に足下に置いていた荷物を盗まれる事件も頻発しています。更に,空港の手荷物検査所において,警察官や空港職員に別室での検査を要求され,別室において暗に金銭を要求される事案も報告されています。その他,航空機に預けた荷物の鍵を破壊されるなどして,預け荷物内の貴重品等が窃取される事件も数件発生しています。

犯行事例(出典:外務省 海外安全ホームページ)

・誘拐
[主な犯行手口]
○犯人グループが2~3台の車に分乗し,ターゲットの車の後をつけ,その車が信号や渋滞などで一旦停止した際に無理矢理乗り込んで,その車の運転手をけん銃で脅し,殴りつける。その後,被害者の所持品すべてを要求するとともに,キャッシュカードの暗証番号を聞き出し,そのカードを使ってATM(現金自動預払機)等で現金を引き出す。さらに,被害者の住所や,自宅にいくら現金があるか,高価な品物があるかなどを聞き出して,被害者の携帯電話を使って被害者の家族に連絡し,聞き出した金品を要求する。

[日本人被害例]
○深夜,自家用車にて帰宅途中,車2台に乗ったメキシコ人男性6人に襲われ,けん銃の柄で後頭部を殴られた。その後,自宅にいた被害者の妻に身代金要求があり,被害者の妻が犯人グループに現金を渡した後,解放された。
○自家用車で帰宅してガレージに駐車したところ,扉が閉まる前に男2人組がガレージに侵入し,被害者をけん銃で脅して被害者を自動車ごと連れ去った。被害者は,車が赤信号で速度を落としたすきに自動車から飛び降りて近くの建物に逃げ込んだが,車は強奪された。

・銃器犯罪
○午前7時頃,メキシコ市内のATMで現金を引き出そうとしたところ,近くにいた男が服のポケット内でけん銃を撃つようなそぶりを見せて現金の引き出しを要求してきたため,犯人に引き出し限度額の現金及び腕時計を渡したところ,犯人はそれらを奪って逃走した。
○午後12時頃,メキシコ市内において,邦人男性が信号待ちで停車中,窓越しにけん銃様なものを突きつけられているのに気がついたため怖くなって窓を開けたところ,男に現金及び時計を強取された。
○午後1時45分頃,日本人旅行者が銀行で現金をおろした後,近くのレストランに入り,テーブルについて本を読んでいたところ,突然近づいてきた男が,旅行者がたすき掛けにしていたショルダーバッグを掴んで盗もうとした。ショルダーバッグが体に引っかかって盗れなかったため,男はけん銃で脅しはじめた。その際に「パン」とけん銃様の音が聞こえたため,旅行者は怖くなって,自らショルダーバッグを渡した。

・タクシー利用時の強盗
○午後9時半頃,被害者が流しのタクシー(リブレ)に乗って目的地に到着し,タクシー内で料金を支払っていたところ,ナイフを所持した2人組の強盗が押し入り,目隠しをされた上で所持金などを奪われた。
○午後11時頃,市内のレストランで食事を終え,流しのタクシー(リブレ)に乗って帰宅途中,タクシー運転手が通常の2~3倍の料金を要求してきたため交渉しようとしたところ,突然タクシーに乗り込んできたナイフを所持した2人組の強盗に,現金などを奪われた上,約2時間連れ回された。タクシー運転手はスピードを遅くしたり,青信号で止まるなどの不審な行動があったので,強盗と共犯とも考えられる。

・地下鉄やメトロバス(路面バス)での集団窃盗,置き引き,スリ

[主な犯行手口]
○旅行者が市内の地下鉄に乗車しようとしているところを狙って5~6人のグループが急に背後から押し入り,旅行者を取り囲んでバッグなどを引きちぎって強奪する。
○地下鉄の乗降時にポケット内の財布をすりとる。
○他の客から声を掛けられ,これに応えているすきに,足元においてあった荷物が盗まれる。

[日本人被害例]
○午前7時頃、メトロに乗り込む際、4人ほどのスリの集団に四方から押され、身動きとれない状況でポケット内の財布を奪われた。

・ペセロミクロ(小型乗合バス)利用時の強盗

[主な犯行事例]
○夜10時頃,地下鉄チャプルテペック駅からサン・アンヘルへ向かっていたペセロミクロに,停留所からけん銃を所持した2人の強盗が乗り込んできて,乗客(8人)及び運転手を脅迫し,全員を縛り上げて金品を強奪し,さらに女性の乗客を暴行して逃走した。

犯罪に遭わないために

・普段から高価なものは身につけない。

・大金やカードは持ち歩かない。キャッシュカードやクレジットカードは、必要時のみ持ち出し、使ったらすぐに帰り、部屋に置いておくこと。ATMにて1日に引き出せる上限が決まっているため、何日も拘束され、連日お金を引き出される可能性があります。

・危険地域には行かない。犯罪は昼間,夜間を問わず発生しているので,昼間であっても人通りの多い場所を選んで行動し,暗い通りへの立ち入りは避ける。

・夜遅く外出しない。

・被害に遭った際は、絶対に抵抗せず、相手の指示に素直に従うこと。下手に抵抗すると、命の危険が伴います。「抵抗」とは積極的に相手に逆らうことだけではなく,逃げる,大声を上げる,睨み付ける,追跡するなどの相手を逆上させるおそれのあるすべての行為を含みます。なお,急な動きは,相手に渡す金品を取り出すためであっても,武器を出そうとしていると誤解される可能性があるので,「ゆっくりとした動作」を心掛ける。

・予約制のタクシー(シティオ,ラジオタクシー等),ホテル専属のタクシー(トゥリスモ),あるいはチケット制の空港タクシーのみを利用し,流しのタクシー(リブレ)や無認可タクシー(いわゆる白タク)には絶対に乗らない。乗車した後は,必ずドアをロックする。

・地下鉄やメトロブスを利用する際は,貴重品をバッグ等に入れず,衣服の内側に入れる等して肌身に着けて携行するとともに,バッグ等を体の前で持つなどして十分な注意が必要です。

・長距離バスを利用する際は、出発地から目的地までの途中で他の乗客が乗り込まない一等バスを利用する。さらに、夜行バスの利用は控えましょう。

・時々後ろを振り返るなどして,警戒している姿勢を見せる。

・現金などは、何箇所かに分けて持つ。ズボンの後ろポケットに財布を入れることは厳禁。

・殺人,強盗,暴行などの凶悪犯罪をニセ警察官(又は本物の警察官)が実行することも珍しくないので,警察官と名乗りながら声を掛けられた場合も,安易に信用しない。

参照:外務省 海外安全ホームページ

危険な地域

「渡航の是非を検討する地域」
●チワワ州フアレス市,タマウリパス州マタモロス市,レイノサ市,ヌエボ・ラレド市,ヌエボ・レオン州モンテレイ大都市圏及びそれらの周辺地域

「十分注意する地域」
●タマウリパス州(マタモロス市,レイノサ市,ヌエボ・ラレド市を除く),チワワ州チワワ市,シナロア州マサトラン市及びクリアカン市,バハ・カリフォルニア州ティファナ市,チアパス州クアウテモック市,イダルゴ市,タリスマン町及びそれらの周辺地域,メキシコ市クアウテモック区テピート地域

●コアウイラ州トレオン市,ドゥランゴ州ゴメス・パラシオ市,レルド市及びゲレロ州(タスコ市,シワタネホ市を除く)

上の情報 出典:外務省 海外安全ホームページ

●メキシコ市内での危険地域
・テピート(Tepito)

・ガリバルディ広場、アラメダ公園付近

・メトロ Indios Verders付近とその北部

・メトロ2号線沿線(特にChabacano以南)

・Iztapalapa地区

●スリ多発地域(乗り換え駅で乗客が集中)
・メトロ3号線 La Raza

・メトロ3号線 Hidalgo

・メトロ9号線 Tacubaya

・メトロ2号線 Tasqueña

緊急連絡先

■在メキシコ日本国大使館
住所:Paseo de la Reforma No. 395, Col. Cuauhtemoc, C.P.06500, Mexico D.F., Mexico
電話:(市外局番55) 5211-0028
 国外からは(国番号52)55-5211-0028
FAX:(市外局番55) 5207-7743
 国外からは(国番号52)55-5207-7743
ホームページ: http://www.mx.emb-japan.go.jp/

■緊急時
・メキシコ市警察庁(SSP)
電話:066(24時間対応,担当事案:強盗等一般犯罪の予防・鎮圧)

・消防署・救急車
電話: 068

・メキシコ市検察庁(PGJ)
電話:(55) 5200-9000, 01-800-00-74533(24時間対応,担当事案:殺人,強盗等一般犯罪の捜査,被害の届出,証明の発行)

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