パレルモ出身の建築家フィリッポ・バジーレの設計により、22年の歳月をかけて建設された、イタリア一、ヨーロッパでも3番目に大きいオペラ劇場。1897年のこけら落としには、ヴェルディ作曲の『ファルスタッフ』が上演された。当時、パレルモは経済的に大きな発展を遂げ、ベルエポックを謳歌していた。この劇場は、まさにその良き時代を象徴する建物なのだ。
外観は新古典主義だが、内部は優雅なアール・ヌーヴォー。木材がふんだんに使用されている。観客席は、平土間席と5階まであるボックス席、そして天井桟敷に分けられている。もちろん映画『ゴッド・ファーザー』のシーンでも有名な、ロイヤル・ボックス席も実在している。
この劇場の特徴は、何といってもその舞台の大きさ。客席と同面積という奥行きを持ち、『アイーダ』が上演された際には本物の像が登場したという逸話も残っている。まさにマッシモ(最大の)な劇場なのである。
公演を見ることはできなくとも、ガイド付きの内部見学ツアーが催されているので、ぜひ足を運んでみたいスポットだ。
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