この地質学的特異性により、エリア一帯は地球らしくない神秘的な雰囲気が漂い、『スタートレック』シリーズなど多くのハリウッド映画のロケ地となった。◇「バレーオブファイヤー(火の谷)」という名称は、真っ赤な絶壁が朝日に照らし出されて炎のように見えることに由来する。4000年前には、現在のネイティブ・アメリカンの祖先であるアナサジ・インディアンが生活しており、現在も多くの壁画が見られる。
バレーオブファイヤーはその名の通り、炎のようにオレンジ色に輝く神秘的な谷で、ネバダ州の州立公園にも指定されている。
谷といっても険しい山岳地帯に見られるような深い谷ではないため、「広大な盆地」 と言った方が適切かも知れないが、いずれにせよ特徴はその風変わりな色と、広大なエリアに点在するさまざまな 奇岩 。
したがって、その奇岩の見学が一般的な観光パターンとなり、楽しみ方の基本はやはりドライブということになる。
真っ青な空をバックに地平線の彼方まで続くオレンジ色の大地を優雅に走れば気分は最高潮というもので、思わず 「ヤッホー!」 と叫びたくなってしまう。
景色の良さもさることながら交通量が非常に少ないため、大地を独り占めにしたような気分を味わえるのもこの地の特徴だ。
ところどころに存在するビューポイントに車を寄せエンジンを切れば、音が存在しない世界が自分を取り巻いていたことに気づく。それは、日本の古寺などに漂う静寂とはまったく異質の無音の世界で、その無い音をとらえようとする聴覚が、絶景を見ている視覚の感度を増幅してくれるのか、眼下に広がる広大な絶景がより一層くっきり目に迫ってくる。
人気歌手・小柳ゆきのヒット曲 「愛情」 のプロモーションビデオもこのバレーオブファイヤーで撮影されたというから、この地の景観の非凡さがうかがえる。
そんな独特な自然環境もさることながら、このバレーオブファイヤーはアクセスのしやすさでも定評だ。
ちなみにラスベガスからの距離はデスバレーの約半分で、所要時間も片道約1時間と、かなり近い。また、デスバレーに比べ、各ビューポイントの距離があまり離れていないため、現地到着後の移動も比較的簡単だ。
さらに細かいことではあるが、デスバレーの国立公園入園料が 10ドルであるのに対して、こちらの州立公園入園料は 6ドルとやや安い。
公共の交通手段がないためレンタカーで行くしかないが、ネオン街の喧騒を離れ、大自然の中に身を置き心身をリフレッシュしてみたいという者はぜひ行ってみるとよいだろう。
このバレーオブファイヤーでは毎年秋に "Valley of Fire Marathon" が開催されている。フルマラソン、ハーフマラソン、10kmマラソンの 3種目で、日本からの参加も可能だ。ちなみにフルマラソンの部の優勝タイムは男女ともに毎年 3時間以上となっており、レベル的にはかなり低い大会のようだが、勝ち負けやタイムにこだわらず景色を楽しみながら走れば、他では味わえない貴重なマラソン体験となるに違いない。エントリー方法など詳しい情報は公式サイト http://vofmarathon.ning.com まで。
やはり、車レンタカーなどでのアクセスとなり
ラスベガス市内から高速 15号線を北へ約 35マイル (約56km) 走り、75番の出口で降りて、あとは道なりに 20分ほど走ると料金所のゲートに到着する。
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