こちらは上海の繁華街の中にある寺院です。きらきらとした外観が特徴的ですが、三国志が好きな方は特に気になるお寺かもしれません。悲劇が続いたこともあり、現在の姿から想像することは困難ですが、その歴史は3世紀の三国時代に由来し、江南地域の悠久の歴史に影響を与えた名刹の1つであります。境内の「赤烏碑」の記録によると、呉の孫権の247年(赤烏10年)に西域出身の康僧会により建てられたとされ、元の名前を滬瀆重元寺といい、呉淞江の北岸にありました。名称は唐時代に一度永泰禅院と改名、その後1008年(北宋)に今の静安寺となります。立地は呉淞江の北岸でありましたが、洪水に悩まされる為、1216年(南宋)に寺を現在の場所に移ります。元の時代、香火が絶えず、境内の8か所の名所は「静安八景」と命名され、名が知れ渡り、山門の前の湧泉は更に「天下第六泉」と誉め称えられたそうです。明太祖の1369年(洪武2年)、静安寺は1枚銅の鐘(洪武大鐘)を鋳造して、今なお寺宝として残っています。しかしそんな静安寺に悲劇が訪れます。1860年に太平天国の軍隊の進撃によって堂塔が戦火で倒壊、奇跡的に残った1基のお堂も数年のうちに倒壊して、仏像は風雨に晒されます。再建されたのは1880年の事で、胡雪巌(清末期の実業家)などの出資援助によるものです。その後は上海の西地区の中心地として発展し、1908年には静安寺を起点とする路面電車が開通され、参拝者の線香やろうそくが絶えない程に持ち直します。しかし苦難はおわりません。文化大革命の初めである1966年には仏像や法器が徹底的な破壊にあい、法師は追害、僧侶も仕方なく還俗してしまいます。寺は改装されプラスチック工場になり、1972年には仏殿が火事で焼失、静安寺は一面の廃墟に....現在の形に修復されたのは、1979年以後、中国政府は再び宗教寺院として指定された後の再建によってです。静安寺は1983年、国務院は漢族地区の仏教の全国重点寺院の1つ認定されました。
昼間の輝きもなかなかですが、夜はさらに金色に。ロマンチックな気分に浸りましょう...♪
施設名 | 静安寺 |
住所 | 中国上海南京西路1686号 |
電話番号 | +86 21 6256 6366 |
入場料 | 50元 ※春節初1-15日までは拝観料が100元、毎月1日と15日は無料開放 |
営業時間 | <毎日>07:30-17:00 |
定休日 | 無休 |
アクセス | 地下鉄2,7号線「静安寺站」から徒歩1分 |
公式サイト | http://www.shjas.org/cn/index.aspx |
※入場料は2014年6月時点のものです
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