コリカンチャはインカ帝国太陽の神、インティを祀る重要な神殿でした。ケチュア語で「コリ」は黄金、「カンチャ」は囲い場を表しています。その名が示す通り、この神殿は1枚あたり重さ2kgの純金の板700枚を使って装飾され、神像をはじめ数多くの黄金製品が納められていましたが、征服活動を行うスペイン人によって1カ月もせずにすべて破壊・略奪されてしまい、現在はその姿を見ることは出来ません。スペイン人は石組みの土台だけを残し、その上にサント・ドミンゴ教会を建設しました。クスコを襲った大地震でその上の教会は壊れましたが、インカ時代に作られた土台は壊れなかった歴史があります。
スペイン人が到来する100年前に作られたこの建物は、インカ帝国の支配者のミイラを保管する太陽の神殿、そして上級聖職者の天体観測の場所として使われました。土台に残された石組みは、ペルーの最高級インカ建築にランク付けされています。完全にフィットした美しいカーブを描く高さ6メートルの壁には注目です。この壁は、クスコの植民地時代の建物のほとんどを壊した地震のすべてに耐えてきたことで有名です。
中庭を囲むように月の神殿、星の神殿、稲妻の神殿、虹の神殿などがありました。月と星の神殿が一番大きく、銀で覆われていました。夏至には、南米三大祭りの1つインティ・ライミ祭りの開会式が裏庭で行われます。現在は博物館として、コリカンチャの内部を見学出来ます。他にも文化センターとして教会内で演奏会が開かれたり、企画展やアートコンテストなども開かれています。
(写真:トリップアドバイザー提供)
大地震が来ても壊れなかったという逸話があるほど、強固で精巧に作られた石組みは一見の価値があります。隙間があまりにもないので、どこからが区切りかわからないほどです。
(写真:トリップアドバイザー提供)
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