パレルモ一大きな大聖堂が建設されたのは1184年のこと。しかし増改築がくり返されたため、当時の姿をほとんどとどめていない。唯一オリジナルの姿が見られるのは、後陣部。複雑な幾何学模様の装飾に、創建当時のノルマン様式を見てとることができる。
内部は18世紀終わりから19世紀初頭にかけて行われた大規模な改修の際に造られたもの。当時の流行りでもあった新古典様式が用いられた。その時の改修で、バジリカ様式からラテン十字への変更が行われ、さらにクーポラが載せられた。
建設当時、大聖堂内部は黄金のモザイクで輝いていたと言われる。残念ながら、現在その面影は見られない。入り口上部に『聖母子像』のモザイクが残っているだけだ。殺風景とも言われる内部だが、コンスタンツァ2世の王冠や繊細な金細工、細密画写本などが展示される宝物庫や、町の守護聖人であるロザリアの聖遺骨や聖遺物が祀られた『ロザリアの礼拝堂』など、見所も多い。
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